猫の肥大型心筋症と投薬|焦るほど悪循環に?試行錯誤の末に見つけた方法

ふーちー

薬の時間は、おやつの時間!?
我が家の猫たちの可愛すぎる投薬ルーティン

ふーちーの病気が発覚した日

我が家の白猫 「ふーちー」 は、肥大型心筋症を患っています。
病気が発覚したのは、ふーちーを迎えて2年目の冬。
寒さが厳しく、空気も乾燥していた時期でした。

きっかけは、ふーちーがパソコンのキーボードに触れた時、——「バチッ!」と静電気が発生。
その音に驚いたふーちーが突然、部屋中を落ち着きなく走り回り始めました。
最初は「びっくりしちゃったんだな」と思ったのですが、様子が明らかにおかしい。

ふーちーは呼吸を荒くし、まるで運動後の犬のように 舌を出してハァハァと息をしている のです。
さらに、涎まで垂らしていました。

(これは普通じゃない…!)

すぐに病院に連れて行こうと思いましたが、あいにくその日は 日曜日の夜
近くの病院はすべて閉まっており、救急に連絡しても対応してもらえず、私はどうすることもできないまま朝を迎えることになりました。

診断結果は「肥大型心筋症」

診断結果

翌朝、会社を休んで開院と同時に病院へ駆け込みました。
いつもは 車に乗ると大騒ぎするふーちー ですが、その日はまるで別猫のように静かでした。
その静けさが余計に不安を掻き立てます。

獣医さんに昨夜の様子を伝えると、すぐに「思い当たる病気がある」とのことで、心電図検査を実施。
その結果——診断は 「肥大型心筋症(HCM)」 でした。

心臓の筋肉が異常に厚くなり、血流が悪くなる病気。
進行すると心不全や血栓を引き起こす可能性があるため、定期的な投薬が欠かせないとのことでした。

優先順位

幸いにも、ふーちーの状態は 比較的初期段階
手術ができる病気ではないため、進行を遅らせる薬を 1日3回 飲ませることになりました。

ただ、その頻度が問題でした。

1日3回、毎日欠かさず薬を飲ませるとなると、仕事を続けながらの管理は難しい…。
悩んだ末、私は 長年勤めた会社を辞め、ふーちーのケアを最優先する道を選びました。

投薬

現在の「ふーちー」は、薬の種類が変更になったこともあり、1日3回の投薬から2回に変更になりました。

薬の種類

  • ベナゼプリル(ACE阻害薬)…1日1回
    血管を拡張し、心臓の負担を軽減する薬。
    血圧を下げ、心臓が楽に血液を送り出せるようにする効果があります。
  • ピモベハート(ピモベンダン)…1日2回
    心臓の収縮力を強め、血液の循環を改善する薬。

現在は、こちらの2種類の薬を、【朝、夕】2回飲んでいます。

最初の投薬は大苦戦!

拒否

ふーちーのために決断した投薬生活。
ところが、 ふーちーは全力で薬を拒否。

最初に処方されたのは 粉薬 でした。
おやつに混ぜたり、ウェットフードに忍ばせたりと試行錯誤しましたが、全然飲んでくれません。
少しでも違和感があると、器用にペッと吐き出してしまいます。

猫が粉薬を嫌がる理由

  • 匂いが嫌い
    猫は嗅覚がとても鋭いので、薬の独特な匂いをすぐに察知します。
    「変な匂いがする!」と警戒して、口に入れたがらないことが多いです。
  • 味が苦い
    粉薬は舌に直接触れるので、苦味を強く感じます。
    猫は苦いものが大嫌いなので、一度でも「まずい!」と思うと、次から絶対に拒否することもあります。
  • 口の中の違和感
    いつものごはんと違って、粉っぽい食感が苦手な猫もいます。
    口の中でざらざらしたり、飲み込みにくかったりするので、違和感を覚えて嫌がります。
  • 警戒心が強い
    猫は慎重な性格なので、いつもと違うものが混ざっているとすぐに気づきます。
    「なんかおかしい!」と思うと、食べ物ごと避けることもあります。
  • 過去の嫌な記憶
    以前、無理やり飲まされたり、薬のせいで気持ち悪くなった経験があると、「またイヤなことが起きる!」と学習して、頑固に拒否することがあります。

猫が嫌がるようなら、別の方法を試してみても、よいかも?

猫の投薬が成功しないのは飼い主のせい!?焦りを手放したらうまくいった話

「薬を飲ませなきゃ、ふーちーが死んでしまう…!」

そう思い込んでいた私は、どんどん神経質になり、ふーちーとの投薬時間が 「苦痛な時間」 になってしまいました。

そんな時、母に相談の電話をしたところ 「粉薬だと飲んだかどうか分かりづらいから、錠剤に変えてもらいな」 というアドバイスをもらいました。

あとな、主。焦りや、苛立ちっていうのは、猫にも分かるもんよ。
もっと、どっしり構えときな!

——ハッとしました。

確かに、私が焦れば焦るほど、ふーちーは余計に警戒し、逃げ回る。
私が神経質になることで、ふーちーにとっても 「嫌な時間」 になってしまっていたのです。

さすがに、人生経験の差を思い知りました。

薬の種類を変えてもらうことに

半信半疑で獣医さんに相談し、錠剤に変更してもらったところ…。

 驚くほどスムーズに飲んでくれるように!

ふーちーの場合、上を向かせて口の横から錠剤を入れると、スッと飲み込んでくれることが分かったのです。

さらに、「薬=嫌なもの」と思わせないために、 薬を飲んだらおやつをあげる というルールを作りました。

すると、ふーちーはどんどん投薬に前向きになり、ついには 「薬の時間になると自ら知らせに来る」 までに!

気づけば、周りの猫たちも便乗

勝手に行事化されておる

こうして、ふーちーの投薬生活はスムーズになったのですが…。
気づけば 他の猫たちも、ソワソワしながら集まるように(笑)。

特に末っ子の ハギちゃん はちゃっかりしていて、毎回 「自分も参加します!」 とばかりに、ふーちーの隣で待機。
さらに、最年長の たま先生 に至っては、「あくまで自然にそこにいるだけですけど?」 という風を装いながら、じわじわと距離を詰めてくる…(笑)。

こうして、ふーちーの 「薬の時間=みんなでおやつの時間」 という、謎のルーティンが出来上がりました。

薬を飲むのは、決して楽しいことではない

薬を飲むのは、決して楽しいことではない。
でも、ふーちーはそれを嫌がるどころか、 みんなで、おやつを楽しむ日課のひとつに変えてくれました。
なので、私も、少しでもふーちが嫌な思いをしないように、好きそうなおやつを、せっせと、Amazonで見繕っております。

我が家のにゃんずは、【たまの伝説】シリーズの大ファン。

そして、主、「投薬スキルが爆上がり」

あれから月日が経ち、今では私の 「投薬スキルが爆上がり」 している。

錠剤の飲ませ方はもちろん、ふーちーの機嫌や体調を見ながら 「今ならスムーズにいける!」 というタイミングを見極める力まで身についた。

そのおかげで、新たに 子猫を保護したときも、難なく投薬成功!
「あの頃の私なら絶対に苦戦してたな…」と振り返ると、ふーちーとの経験がどれほど大きかったかを実感する。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
きっと、この投稿を読んでくれている方の中には、愛猫の投薬に悩んでいる方 もいるかもしれません。

私も最初は焦りと不安でいっぱいでしたが、試行錯誤を重ねるうちに、猫と向き合う気持ちの余裕が生まれました。
焦りは、お互いの精神をすり減らします。
だからこそ、投薬の時間を「嫌な時間」にしない工夫が大切なんだと、ふーちーとの日々の中で学びました。

焦らず、こちらが寄り添えば、猫も少しずつ安心してくれる
中々難しいとは思いますが、少しずつ、お互いにとって無理のない方法を見つけていけたらいいですね。

あと、薬を飲んだら、存分に褒めてあげましょう。
褒めた後は、「いいこと」をした気分になるのか、とっても誇らしげな顔をしている時があります…(笑)
なんなら、「褒め待ち」で、次回から積極的に飲んでくれる場合もあります。

あなたと愛猫ちゃんの投薬生活が、少しでも穏やかなものになりますように。
それでは、皆さま、良き猫ライフをお過ごし下さい。

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